建売住宅の住宅性能表示制度とは?購入前に確認したい性能項目をわかりやすく解説!

建売住宅を購入するときは、間取りや価格だけではなく、住宅の性能にも注目することが大切です。住宅性能表示制度を利用すれば、耐震性や断熱性などを共通の基準で確認できます。今回は、建売住宅の購入前に知っておきたい制度の仕組みと、確認したい性能項目を解説します。
建売住宅の住宅性能表示制度とは?
住宅性能表示制度とは、住宅の基本的な性能を共通の基準で評価し、等級などで分かりやすく表示する制度です。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にもとづいて平成12年度から運用されており、国に登録された第三者機関が評価を行います。
建売住宅の場合、販売価格や間取りだけでは、建物の耐震性や断熱性などを比較するのは容易ではありません。住宅性能表示制度を利用していれば、共通のルールにもとづいて性能が評価されるため、住宅同士を比較する際の判断材料になります。
新築住宅では、現在10分野33項目の性能表示事項が定められています。ただし、すべての項目について評価を受ける必要があるわけではありません。制度そのものも義務ではなく、住宅取得者や住宅供給者などが利用するかどうかを選択できます。
なお、住宅性能評価には「設計住宅性能評価」と「建設住宅性能評価」があります。設計住宅性能評価は設計段階の図書をもとに評価するもので、建設住宅性能評価では施工段階や完成段階の検査も行われます。購入時には、どの評価書を取得している住宅なのかも確認しておきましょう。
建売住宅の購入前に確認したいおもな性能項目
住宅性能表示制度では、構造の安定、火災時の安全、劣化の軽減、維持管理・更新への配慮、温熱環境・エネルギー消費量、空気環境、光・視環境、音環境、高齢者等への配慮、防犯の10分野が評価対象となります。
構造の安定
建売住宅を選ぶ際、とくに確認したいのが「構造の安定」です。地震に対する強さを示す耐震等級などが評価され、耐震等級は1〜3までの段階で表示されます。
耐震等級3は、極めてまれに発生する地震による力の1.5倍に対して倒壊・崩壊しない程度の性能です。等級1は建築基準法が求める最低限の耐震性能に相当します。
劣化の軽減
「劣化の軽減」とは、柱や土台などの構造躯体について、劣化を抑えるためにどのような対策が講じられているかを評価するものです。長く住み続けることを考えるなら、耐震性だけではなく建物の耐久性にも目を向けましょう。
維持管理・更新への配慮
給水管や排水管などの点検、清掃、修繕、交換のしやすさなどは、維持管理・更新への配慮として評価されます。新築時の性能だけではなく、将来的なメンテナンスのしやすさを確認できる点が特徴です。
温熱環境・エネルギー消費量
快適性や光熱費に関係するのが「温熱環境・エネルギー消費量」です。断熱等性能等級では住宅の断熱性能を確認でき、一次エネルギー消費量等級では冷暖房や給湯などに使うエネルギーの削減性能を評価します。
なお、令和4年10月以降、住宅性能表示制度を利用する新築住宅では、「断熱等性能等級」と「一次エネルギー消費量等級」の両方が必須の評価項目となっています。
断熱性能
断熱性能は地域によって基準が異なるため、単純に等級だけを見るのではなく、建築される地域に適した性能かを確認することも重要です。住宅の断熱性能は、室内の温度環境や冷暖房効率にも関係するため、長期的な暮らしやすさを考えるうえで重要なポイントです。
その他の性能
火災時の安全性や防犯性能、バリアフリー性能なども、家族構成や将来の暮らし方によっては重要になります。すべての性能項目を一律に重視するのではなく、自分たちの生活に必要な性能を優先して確認するとよいでしょう。
建売住宅の住宅性能評価書を購入前に確認しよう
住宅性能表示制度を利用している建売住宅では、性能評価書によって各項目の評価結果を確認できます。住宅会社から資料を受け取ったら、単に「住宅性能評価を取得している」という説明だけで判断せず、具体的な等級や評価内容まで確認しましょう。
とくに耐震性能や断熱性能は、購入後にかんたんに変更できるものではありません。間取りや設備のデザインだけを見て決めるのではなく、将来にわたって安心して暮らせる性能を備えているか確認することが大切です。
また、住宅性能表示制度による評価と、住宅会社が独自に掲げる「高性能住宅」などの表現は同じものではありません。共通の基準による評価なのか、独自基準による説明なのかを区別して資料を確認すると、住宅同士を比較しやすくなります。
建売住宅は完成した建物を実際に見て選べる一方、壁の内部にある構造や断熱材などは目視だけでは判断できません。だからこそ、性能評価書や設計図書などの資料を活用し、見えない部分の性能まで確認することが重要です。
さらに、住宅性能表示制度を利用した住宅で建設住宅性能評価書が交付されている場合、指定住宅紛争処理機関による専門的な紛争処理を利用できる仕組みもあります。購入後の万一のトラブルに備えるという意味でも、制度の内容を理解しておくと安心です。
まとめ
建売住宅の住宅性能表示制度は、耐震性や断熱性、劣化対策、維持管理のしやすさなどを共通の基準で確認できる制度です。購入前には住宅性能評価書を確認し、とくに耐震性能や断熱性能など、後から変更しにくい部分をチェックしましょう。価格や間取りだけではなく、長く安心して暮らせる性能まで比較することが、建売住宅選びでは重要です。


















