建売住宅でも静かな暮らしを実現する防音対策
建売住宅を購入した際、近隣の生活音や交通騒音が気になるという声は少なくありません。建売住宅は注文住宅に比べて防音対策が施されていないケースも多くあります。防音対策を工夫することで、快適な暮らしを実現することは十分に可能です。今回は、建売住宅でも静かな空間を作るための防音対策を詳しく解説していきます。
騒音の侵入を防ぐポイント
窓は住宅内に外部の音が入り込みやすい箇所です。建売住宅の窓はコスト面を重視して一般的なガラスが使用されていることが多く、防音性能が低い場合があります。窓の防音対策を施すことで、騒音の侵入を大幅に軽減できます。
二重窓の導入で防音効果を高める
二重窓とは、既存の窓にもう一枚窓を設置する防音対策のひとつです。二重窓にすることで、外部の音が窓を通して直接室内に入り込むのを防ぎ、遮音効果が期待できます。とくに防音効果が高いのは、間に空気層があるタイプの二重窓です。
空気層が音を吸収・反射する役割を果たし、外部の騒音が室内に届きにくくなります。また、サッシの素材も防音効果に大きく影響します。アルミ製サッシよりも、樹脂製サッシの方が断熱性と防音性が高いため、交換を検討する価値があります。
防音フィルムを活用する
防音フィルムは、既存の窓ガラスに貼るだけで音の侵入を抑えられるアイテムです。二重窓の設置が難しい場合や予算に限りがある場合でも手軽に防音対策を行える点が魅力です。
防音フィルムは厚みがあり、音の反射・吸収を促進する素材でできているため、外部からの騒音を軽減できます。また、防音フィルムにはUVカット機能が付いているものもあり、紫外線対策としても有効です。窓ガラスに貼るだけで施工が完了する手軽さも、防音フィルムの魅力と言えるでしょう。
防音カーテンで簡単対策
防音カーテンも窓の防音対策として有効な手段です。通常のカーテンに比べて、生地が厚く遮音性が高いため、外部の音を軽減しやすくなります。防音カーテンは遮光機能や断熱機能も備えていることが多く、窓からの冷気や熱を遮断する効果も期待できます。
取り付けの際は、カーテンの長さや幅を窓枠よりも広めに設置することで、隙間からの音漏れを防止できます。防音カーテンはデザインや色も豊富に揃っているため、インテリアに合わせて選べる点もメリットです。
生活音を防ぐための工夫
建売住宅では、壁の厚みが十分でないこともあり、隣家の生活音が気になるケースがあります。壁の防音対策を講じることで、隣家や室内の生活音を軽減できます。
吸音パネルで音の反射を抑える
吸音パネルは、壁に取り付けるだけで生活音を吸収し、音の反響を抑えるアイテムです。リビングや子ども部屋、寝室など、音が響きやすい部屋に設置することで、防音効果を発揮します。吸音パネルにはさまざまなデザインがあり、インテリアとしても活用できる点が特徴です。
とくに防音効果が高いのは、厚さが30mm以上の吸音パネルです。壁全体に取り付けるのではなく、生活音が発生しやすい部分(テレビまわり、ベッドサイドなど)にポイント的に設置することで、コストを抑えながら効果を得ることができます。
防音壁紙で手軽に対策
壁紙の張り替えを検討している場合、防音性能のある壁紙を選ぶことで、音漏れの軽減が期待できます。防音壁紙には厚みがあり、音の吸収効果が高い素材が使用されています。
とくに、防音壁紙の裏面には吸音材が貼り付けられているものもあり、壁全体の防音性能を高めることができます。リビングや寝室だけでなく、玄関や廊下などにも貼ることで、家全体の防音性が向上します。
家具の配置を工夫する
壁面の防音対策として、家具の配置を見直すことも有効です。たとえば、収納棚や本棚を壁面に設置することで、隣家との間に音のバリアを作ることができます。収納棚の中に布やクッション材を敷き詰めることで、さらに音の吸収効果が高まります。また、壁に直接家具を接触させず、少し隙間を空けて設置することで、振動音を抑えることができます。
階下への音漏れを防ぐ
建売住宅では、床の厚みが十分でない場合、足音や物を落とした際の音が階下に響きやすくなります。床の防音対策を行うことで、生活音のトラブルを防ぎやすくなります。
防音マットで衝撃音を吸収
防音マットは、床の衝撃音を吸収し、階下への音漏れを防ぐアイテムです。厚さが10mm以上の防音マットを敷くことで、足音や物を落とした際の音を軽減できます。リビングや子ども部屋にはクッション性のあるラグやカーペットを敷くと、さらに効果が高まります。
防振材の導入で振動音を抑える
振動音は床下から伝わりやすいため、防振材を導入することで音漏れを防ぎます。防振材にはゴム製やコルク製などがあり、床板の下に敷き詰めることで効果を発揮します。床材のリフォーム時に併せて施工するのがおすすめです。
防音フローリングの選定
リフォームを検討している場合、防音性能の高いフローリング材を選ぶと、生活音の伝播を抑えられます。二重構造になったフローリング材や、遮音性能が高いL40、L45などの規格品を選ぶことで、足音が響きにくい環境を作ることができます。
まとめ
建売住宅でも静かな暮らしを実現するためには、窓、壁、床の防音対策を徹底することが重要です。窓からの音漏れには二重窓や防音フィルム、防音カーテンの導入が効果的です。とくに、防音カーテンは取り付けが簡単で、遮光効果や断熱効果も期待できるため、コストを抑えながら音漏れ対策ができます。今回紹介した防音対策は、リフォームやDIYで手軽に取り入れられるものも多いため、予算や施工難易度に応じて選択するとよいでしょう。防音対策を施し、家族全員がリラックスできる住空間を整えましょう。